No.113の記事

胸が痛かった番組

すっかり春らしくなってきました。
山々の風景も鮮やかな新緑となり、目にまぶしいくらいです。

さて、先日何気なくザッピングしたチャンネルで、
卒業を控えた高校3年生の就職活動のドキュメンタリーが放送されていました。

この手の番組は、国営放送が得意とする分野ですが、
ご他聞にもれず、やはり国営放送製作でした・・・

45分番組の後半10分程度しか見ることができなかったのですが、
札幌市の市立高校の進路相談室を舞台にしたものです。

就職氷河期をしのぐ就職難といわれた平成22年3月の卒業生・・・
進路指導室の担当者と生徒の葛藤がよく描かれていたと思います。

心に残ったシーンを少々書いてみます・・・

ある生徒が応募を検討している企業について、
進路指導室の担当者が応募を反対するというシーンでは、
就職支援に携わるものとして、担当者の気持ちが痛いほど伝わってきました。
しかし、なんとか就職を決めたいと焦る生徒の気持ちも
共感でき・・・

結局、担任からの説得もあり生徒は応募を見合わせたのですが、
その生徒は、卒業まで一度も企業の面接を受けずに卒業
を迎えてしまうのです。

また、欠席が多い生徒が企業の面接担当者から「欠席が多いよね・・・」の
質問に懸命に答えているシーンでは、一視聴者として
見ているのですが、胸が苦しくなりました。

学校を休んでいた理由はわかりませんが、今まで大きな庇護の中で生活していた生徒たちにとって、
就職はその庇護がなくなる瞬間なんだと改めて確認したシーンでした。

欠席が多かった生徒は理解ある企業に採用になり、
先輩たちよりも早く出勤してがんばっているそうです。
がんばれ!がんばれ!

やりたいことが見つからないと話す生徒もいました。その生徒は、卒業後、フリーターとなりました。

札幌では、就職を希望していた生徒の約半分が就職できずに
卒業を迎えたとテレビでは伝えていました。

これから就職活動を始める生徒はもちろん、保護者の方に見てもらいたい番組でした。

秋田では再放送が未定のようなので、とても残念です。
見ていて胸が痛い番組でしたが、この番組が描いていたのは、
紛れもない現実なのだから・・・